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忌々しき「死」の大君は
ゆゆしき「し」のおおきみは
著者
翻訳者上田 敏
文字遣い旧字旧仮名
底本 「上田敏全訳詩集」 岩波文庫、岩波書店
1962(昭和37)年12月16日
初出「家庭文芸 創刊号」1907(明治40)年1月
入力者川山隆
校正者成宮佐知子
公開 / 更新2012-11-29 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


忌々しき「死」の大君は慈悲の敵なり、
昔より悲の母、
かたくなに、言向けがたき司かな。
われも心に「憂愁」の種を播かれぬ、
いざさらば憂ひて已まじ
この舌の君さいなみに倦みぬとも。

われ今ここに君が身をつゆばかりだに
慈悲無しと思ふものから、
まがごとの大凶事と、君が罪
鳴して責めむ。世の人も知らぬにはあらず、
しかすがになほ憤り、
けふよりぞ「愛」の惠に歸依すべき。

いと美しき禮讓はこの塵の世を捨てたるか。
をみな心の麗しき徳性さへもうせにしか。
わかき命のまさかりに、
「愛」の色香を毀ちたる憎き「死」の神。

この淑女の誰なるを、ここに語るは憚れど、
そが本性の氣高きを述べたればこそ人知らめ。
後世の福得べき身ぞ
天つ御空に此君を仰ぎ見すらむ。



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