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『唯研ニュース』
『ゆいけんニュース』
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「戸坂潤全集 別巻」 勁草書房
1979(昭和54)年11月20日
初出「唯研ニュース」1933(昭和8)年11月20日号~1938(昭和13)年2月15日号
入力者矢野正人
校正者Juki
公開 / 更新2012-08-26 / 2014-09-16
長さの目安約 36 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

創刊の辞


 会員の待望によって、『唯研ニュース』が創刊される運びになった。会員諸氏は多分之を喜んで呉れるだろう。然し或細心な会員達の内には、同時に財政上の困難が心配になると云う人がいるかも知れない。今まで出していたニュースは、「唯研」全体のものだったのに、事実上は「唯研」の研究組織部の研究予報に過ぎなかった。この不充分を補うために出たのが、この『唯研ニュース』なのだが、之を出すようになっても、矢張時々「号外」として研究会予報を会員の手許に送らねばならない場合が少くないだろう。そう考えればこのニュースを出すことによる経済上の負担はあまり小さいものではない。
 然し多少の財政的な犠牲のために、会と会員とにとってニュースが絶対必要だという根本的事実を犠牲にすることは出来ない。
 機関誌『唯物論研究』は相当多数の一般読者を持っているが、それにも拘らず何よりも先に夫が会員のものでなければならぬということは、今更ここで云うまでもない、処がこのニュースは、より以上に会員のものであり、より以上に会員の身辺に接近したものである。
 例えば総会の詳しい記事とか、研究会の活々とした状況描写とか、会員の科学上の細かい様々な仕事とか、更に会員親睦の材料になるような身辺の消息とか、そう云った一種の私的な報道は、機関誌に載せることは出来ない次第だが、併し会員には極めて大切なニュースだろう。そういうニュースを送る役目を果す機関が、特にこの会には必要なのだが、この『唯研ニュース』でこの必要を充したいと考える。――で之は、会と会員とのための日記という意味を先ず第一に有たなければならぬ。
 会員にとって割合私的な個人的な報道がこのニュースで送られるわけであるが、もう一つ指摘しておかなければならないこのニュースに独特な職能がある。それは機関誌発行と次の機関誌発行との間の期間に発生した臨時の問題で、機関誌の発行に先立って会員に報道したいものがある場合、これを逸早く載せることの出来るのは、このニュースでなくてはならぬ。迅速を要するアップ・トゥー・デートな記事はここに載せるわけで、仮にこの点から『唯研ニュース』は唯物論研究会の新聞と見做してもいいだろう。
 会員の研究や形の整った考察は、各々研究会の方に廻すべきだし論説や討論や研究上のノート、コレスポンデンスなどは機関誌に載るだろう。処で会員の一寸とした思いつきや、希望や、凡そ感情や意志の形のままで現われるような内容には、このニュースがスペースを提供する。会員が会員に対してやや公式な然し私的な手紙を書こうとすれば、恐らくこのニュースを通じて行われる外はないだろう。そう考えれば『唯研ニュース』は会員に手紙として役立つだろう。
『唯研ニュース』は唯物論研究会とその会員とにとっての、日記であり、新聞であり、又手紙でもある。ただ、月に大体二度しか出ない(毎月…

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