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兵士の綱
へいしのつな
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「今野大力作品集」 新日本出版社
1995(平成7)年6月30日
初出「北海日日新聞」1928(昭和3)年
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2015-06-18 / 2015-03-08
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


「引け!」
イチニ、イチニ、イチニ
雨が降る
秋に降る冷たい雨、落葉を叩く
頬を打つ流してはならぬ涙の様
イチニ、イチニ、イチニ
中途でぐうんと引かかる、よろ、よろ、よろ、重たいゆるがぬ万億の重量
「止まれ!」
班長、ちっとあおそすぎないか
六人の肩に絨衣を通して
肩に割り込む兵士の綱
グレンの代りに使われる
架橋工事の兵士達
雨の中、川をこいで綱を引く
「初め!」
イチニ、イチニ、イチニ
するすると上がってゆく材料
橋が出来れば何を通す
馬に乗り、長剣を持つ騎兵
銃を持ち、帯剣を持つ歩兵
轟々と砲車を走らす砲兵達
ラッパを吹いて行進する
敵は何処?
何がかくも恐ろしき?
何をかくも驚異する?
そして彼等は何をそんなに殺戮せねばならないのか
兵士達、聞け!
敵は背後にある!
兵士達、卿等の敵はブルジョア、
世界ブルジョアの××は
第三インターナショナル
プロレタリアの××戦
戦綱を引く兵士達
グレンの代りに使われる
架橋工事の兵士達
雨の中、川をこいで
よろよろと綱を引く兵士の行進、
「止まれ!」
プロレタリアの進軍だ!
橋を通るは卿等の兄弟姉妹達
秋に降る冷たい雨、落葉を叩く
頬を打つ、流してはならぬ涙の様



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