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高窓に見える青空
たかまどにみえるあおぞら
作品ID55523
副題……(ブタ箱にて)……
……(ブタばこにて)……
著者今野 大力
文字遣い新字新仮名
底本 「今野大力作品集」 新日本出版社
1995(平成7)年6月30日
初出「文学新聞」1932(昭和7)年5月15日
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2015-04-16 / 2015-03-08
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


小さな高窓
高窓に見える青空
この青空に走っている無数のラジオの声
ブル共はそのラジオで
相場の上下を語り
奴隷の歌をうたわせながら
満洲パルチザンの活動に驚愕のニュースを飛ばし
国際聯盟の脱退を問題にしているだろう、だが、それより
おれたちのこの小さな高窓に見る青空にはすべての日に
あのモスクワのコミンターン(国際共産党)の大放送塔から
おれたちプロレタリアのために闘う世界中の同志の耳へ
輝きにみちた勝利のニュース
中国プロレタリアートの前進や
極東における強盗どもの
反サヴェート戦争のインボーを報じているだろう
そしてそこからは
おれたちの偉大な指導者
スターリン、マヌイルスキー、ロゾフスキーの声もきこえてくるだろう
おお、おれたちはあの青空から
その声なき声をこそ聴こう

一九三二・四・一六



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