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虐殺の記念日
ぎゃくさつのきねんび
副題――カール・ローザ十週年――
――カール・ローザじっしゅうねん――
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「今野大力作品集」 新日本出版社
1995(平成7)年6月30日
初出「北都毎日新聞」1929(昭和4)年1月15日
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2015-02-09 / 2015-01-27
長さの目安約 3 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

砂時計はさらさらと流れる
民衆の赤き血は流された
到る処に銃火と剣戟がひらめいた
到る処に窮乏と犯罪が増加した
新聞紙はもっと恐しい話を捏造する
伯林ではパリーの革命を報道する
フランスの都ではリーブクネヒトの死が印刷される
……アンリ、ギルボウ

「自分を免職し得るものは民衆のみ」と独逸独立社会党員アルヒホルンは拒絶した。
けれど政府は断然彼を除名した、そして遂に民衆の憤激の鯨波は上がる、
伯林市中に市街戦起り、
スパルタクスブンドは市内の要所を占領し、臨時政府に対するゼネラルストライキは起された、
一九一九年一月一〇日伯林に於て、
然しこれは旧カイゼルの軍隊に鎮圧された、

革命は民衆の要求である、
旧き資本主義極悪の形骸を踏みくじき、明日の新しき太陽を迎えんとするもの、
民衆の胸に燃ゆ、
ああ、記憶せよ一月十五日!
(それは帝国主義の血なまぐさき侵略戦争に駆り立てられて起された尼港のあの惨虐ではない)

それこそ、
万国の労働者農民にとって、
国際的記念日だ。
スパルタクスブンドの偉大なる指導者が、
独逸臨時政府を負うシャイデマン、ノスケ等の為めに
虐殺された記念の日だ、
一九二九年一月十五日
今日こそその十週年記念日だ

「カール、リーブクネヒト ローザ、ルクセンブルグを打ち殺せ!」
「カール、リーブクネヒト ローザ、ルクセンブルグを街頭に絞首せよ!」

ビラ十万枚は撒布にまかせられ、反動の挑戦的「祖国主義」宣伝のさ中に、
閧声をあげて押し寄せる帝国主義の傀儡、近衛の将校は、
ドイツブルジョア共の意志をうけて惨殺を決行した

とは言え、この精神的にも実際にも革命家なる二氏は常に正々堂々たる態度を以て、高傑且つ武士的手段を以て戦って来た、然るに彼等は正々堂々たる戦闘に倒れずして、空手空拳の格闘の後、野獣の如き強盗殺人輩、野卑なる無頼漢に暗殺されたことは一大悲劇である、正にこれ一つのゴルガアタだ、ああ天日光茫を喪って隠れ、地も亦引裂けよ、社会主義的文学に飾られたる旗は、引ちぎられるともエーベルトシャイデマンの反革命政策の正体はプロレタリア大衆の眼前に曝露された、資本主義的財産制度ブルジョア的秩序!
……クララ、チェトキン

民衆は偉大なる経験を持つ、
パリコンミュンの血、
ロシア大革命の血
プロレタリアの世界歴史に綴られるべき、
幾多の身を以て闘える犠牲者の血は、永く、虐殺者の手にこびりつく、
そしてそれはやがて彼等をその血の中に叩き込む。

ドイツ共産団、スパルタクスブンドのグレートアジテーター(偉大なる指導者)は屠殺されていった。
されど然し、新しき世紀の暗澹たる闇の歴史を貫いて、きらめき輝く未来の勝利者の希望はのこる、
身をもって闘える犠牲者の遺志を継承するもの、復讐者等は、死灰を蹴立てて飛び立つ不死鳥の如く、
彼等が死骸の下から、
力強き第三イン…

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