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北海の夜
ほっかいのよる
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「今野大力作品集」 新日本出版社
1995(平成7)年6月30日
初出「白楡 第二十五号」1923(大正12)年8月
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2015-06-21 / 2015-04-01
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より




旗がしきりにゆれている
ハタハタと、又ハタハタと
時には風が吹いて来て
ゴトンと音を立ててゆく
外はほんとに暗いのだ

自分よ、或る夜の事を思い出せ
そしてぞうっと身ぶるえせ
今夜の雪は青白い
すごい黒さが沁みている



海の妖婆が踊るよな
暗い恐ろしい夜となる
日本海と太平洋の沖の方に
何か変りはないだろうか。

海辺の街の病める友は
こんな夜なら寂しかろう
母がはなれているのさい
悲しくなって来るだろう
窓の近くに横たわり
眠りもせずに、うつうつと
ものを思えるその時は
そうっと窓の近くにて
海の妖婆が笑うだろう

私も自分がさびしくて
忘れようにも忘られず
ぞうっと身ぶるえするのだよ。

一〇・三・四稿



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