えあ草紙・青空図書館 - 作品カード


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あき
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「近代浪漫派文庫 29 大木惇夫 蔵原伸二郎」 新学社
2005(平成17)年10月12日
入力者kompass
校正者大久保ゆう
公開 / 更新2016-03-20 / 2016-01-01
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


釣竿の影がうつつている
この無限の中で
釣をする人は
しつかり岩の上に坐つたまま
ねむつている
ねむつたまま竿をにぎつている
今日は川魚たちの祝祭日
みんな青い時間の流れにそつて
さがつている針を
横目でにらみながら通りすぎる
今までどうにか生き残つた魚たちの
今日はお祭りなんだよ
先頭を行く逞しい雄のあとを
紅いろに着飾つた雌たちが
一列になつておよいでゆく
水底の砂にゆれる光る青空と白い雲

人間の世界でも秋祭りなんだなあ!
遠い太鼓の音が
この川底までひびいてくる



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