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春の詩集
はるのししゅう
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「ふるさと文学館 第三三巻 【大阪Ⅱ】」 ぎょうせい
1995(平成7)年8月15日
初出「紫羅欄花」東北書院、1932(昭和7)年
入力者大久保ゆう
校正者Juki
公開 / 更新2016-04-12 / 2016-03-04
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


あなたの懐中にある小さな詩集を見せてください
かくさないで――。

それ一冊きりしかない若い時の詩集。
隠してゐるのは、あなたばかりではないが
をりをりは出して見せた方がよい。

さういふ詩集は
誰しも持つてゐます。

をさないでせう、まづいでせう、感傷的でせう
無分別で、あさはかで、つきつめてゐるでせう。

けれども歌はないでゐられない
淋しい自分が、なつかしく、かなしく、
人恋しく、うたも、涙も、一しよに湧き出た頃の詩集。

さういふ詩集は
誰しも持つてゐます。

たとへ人に見せないまでも
大切にしまつておいて
春が来る毎に
春の心になるやうに
自分の苦しさを思ひ出してみることです。

詩集には
過ぎて行く春の悩みが書いてあるでせう。
ふところ深く秘めて置いて
そつと見る詩集でせう。

併し
季節はまた春になりました。
あなたの古い詩集を見せて下さい。



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