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ちょびひげサミュエルのはなし
ちょびひげサミュエルのはなし
作品ID58100
副題まきまきパンのまき
まきまきパンのまき
原題The Tale of Samuel Whiskers or, The Roly-Poly Pudding
著者ポター ビアトリクス
翻訳者大久保 ゆう
文字遣い新字新仮名
入力者大久保ゆう
校正者
公開 / 更新2016-12-22 / 2018-06-17
長さの目安約 17 ページ(500字/頁で計算)

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本文より

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しいたげられ(ながらも) 手におえない
この生きものでも ひときわ かしこげな
赤い目が めだつ かわいい ちっちゃな
お友だちで たくみな ぬすっとでもある
〈サミー〉を しのんで
[#挿絵]

[#挿絵]
 むかしむかし あるところに ぐいぐいタビサさん という はらはらしっぱなしの おかあさんネコが おりました。 いつも 子ネコたちが いなくなってしまって、 そのたび かならず いたずらを おこされてしまうのです!
 パン作りの 日には、 みんな おし入れに とじこめてしまうのが お決まりでした。
 モペットと ミトンズは つかまりましたが、 タムが まだ 見つかりません。

[#挿絵]
 おかあさんの タビサは 家じゅうを 上に下にと みゃあみゃあ タムに よびかけながら 回りました。 かいだん下の なん戸を のぞいたり、 ちょうど 空き部屋に なっていた ほこりまみれの ねどこも さがしてみたり。 まっすぐ 上がって 屋根うらも 見たけれど、 どこにも 見当たりません。
 古い むかしからの おうちで、 おし入れや かくし通路が いっぱい あるのです。 あつみ1メートルくらいの かべも あって、 なかでは いつも ごとごと へんな 物音、 まるで ちいさな かくし かいだんでも あるみたい。 かべ板の すきまに ぎざぎざ おかしな 入り口が あって、 夜な夜な ものが そこへ 消えていくのです ―― とくに チーズとか ベーコンとか。
 おかあさんの タビサは だんだん そわそわしてきて とにかく みゃあみゃあ 声を 上げました。

[#挿絵]
 こうして 母ネコが 家じゅう さがし回っているうちに、 モペットと ミトンズが いたずらに 乗り出します。
 おし入れの 戸には カギが ないので おしあけて 出て行きました。

[#挿絵]
 ふたりが まっすぐ 向かうのは かまど前の うつわで、 ふくらみ待ちの パンだねのところ。
 ふたりは ちいさな 肉球で ぽんぽん ――「あたしたちで かわいい マフィンでも 作ろっか。」と ミトンズが モペットを さそいます。

[#挿絵]
 ところが ちょうど そのとき 戸口を たたく 音が して、 びくっとした モペットは 小麦粉の たるへ 飛び込んでしまいました。

[#挿絵]
 ミトンズも 牛乳おきばに かけこんで、 ミルク入れが ならんでいる 石だなにあった 空のつぼの なかに かくれます。

[#挿絵]
 お客さんは おとなりさんで しんせきの リービさんで、 イーストを かりに 立ちよったのでした。
 そのいとこの タビサは そわそわ みゃあみゃあと かいだんを 下りてきて ――「お入りください。 あら リービじゃない! おか…

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