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ぼくら ふたり
ぼくら ふたり
作品ID58821
原題Us Two
著者ミルン アラン・アレクザンダー
翻訳者大久保 ゆう
文字遣い新字新仮名
入力者大久保ゆう
校正者
公開 / 更新2017-10-14 / 2017-12-14
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


 どこにいたって プーもいる
 いつだって プーとぼく
 なにしたって まねしたがる
「今日はどこ行く?」って プー
「おもしろいとこだよ まかせてよ
 いっしょに行こう」って 言うんだよ
「いっしょに行こう」って プーのやつ

「2×11は?」って プーにきく
(「2×なに?」って かえすプー)
「たぶん22に なるはず」
「そうじゃないかと 思ったよ」って プー
「かけ算って そう やさしくないけどさ
 そうじゃないかと」って 言うんだよ
「そうじゃないかと」って プーのやつ

「ドラゴンさがしだ」って プーに言うと
「よし きた」って かえしてくるプー
 川を わたると それなりに 見つかる
「ほんとに ドラゴン いるんだな」って プー
「くちばし 見たら ぴんときた
 そうじゃないかと」って 言うんだよ
「そうじゃないかと」って プーのやつ

「びっくりさせよう」って プーに言うと
「いいね」って かえしてくるプー
「こわくないぞ」って ぼくは言って
 あいつの手を ふりふり さけぶんだ「シュー!
 このお ドラゴンめ!」 で にげてった
「こわいもんか」って 言い出すプー
「きみと いっしょなら こわくないんだ」

 だから どこにいたって プーもいる
 いつだって プーとぼく
「どうしよう」って プーに言うと
「きみが いなくなったら」って すると
「ひとりじゃ 楽しくなくても ふたりいっしょなら
 なんとかなるさ」って 言うんだよ
「そうじゃないかと」って プーのやつ

(おわり)
[#改ページ]
訳者付記
 この詩 “Us Two” は、その愛くるしいぬいぐるみのプーさんが象徴的にあらわれる詩。ぬいぐるみで一人遊びする子どもにとって、そのぬいぐるみがどれだけ大事で心強いものなのかが、わかります。
「クマのプーさん」原作者のA・A・ミルンの日本における著作権保護期間が2017年5月末に満了したそうですが、そのとき先にパブリックドメインとなって公開されているカナダの電子テキストを底本にして、通勤の途中にスマホを使いつつ、twitter に挙げながら訳したものです。パブリックドメインになると、こんなこともできるわけですね。訳文は、(手持ちの全集を見るなどして)あとで見直してもいます。
「原文の”said Pooh”のごろが良いんだよね」ってプー。



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