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マリー・ロジェエの怪事件
マリー・ロジェエのかいじけん
著者
翻訳者佐々木 直次郎
文字遣い新字新仮名
底本 「モルグ街の殺人事件」 新潮文庫、新潮社
1951(昭和26)年8月15日、1977(昭和52)年5月10日40刷改版
入力者土屋隆
校正者POKEPEEK2011
公開 / 更新2014-09-26 / 2015-04-06
長さの目安約 106 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

[#ページの左右中央]


 Es gibt eine Reihe idealischer Begebenheiten, die der Wirklichkeit parallel l[#挿絵]uft. Selten fallen sie zusammen. Menschen und Zuf[#挿絵]lle modifizieren gew[#挿絵]hnlich die idealische Begebenheit, so da[#挿絵]sie unvollkommen erscheint, und ihre Folgen gleichfalls unvollkommen sind. So bei der Reformation ; statt des Protestantismus kam das Luthertum hervor.

 実在の出来事と並行して進む観念的な一連の出来事がある。だが、両者はたまに一致するだけだ。人間と周囲の事情とがいつもこの観念的な一連の出来事を変えるので、それは不完全らしく見えるし、またその結果も同様に不完全となる。宗教改革の場合も同じことである。プロテスタンティズムのかわりにルーテル教があらわれたのである。
ノヴァーリス(1)『道徳論』


[#改ページ]



 ちょっと見たところあまり不思議なので、ただの暗合としては理知が受け入れられないような暗合に出会って愕然として、超自然的なものをぼんやりと、しかしぞっとしながら、ときによるとなかば信ずるような気持になったことのない人は、非常に冷静な思索家のあいだでも、ごく少ないのである。そのような感情――なぜなら、私の言うそのなかば信ずるような気持というのは、決して考えというほどの十分な力を持っていないのだから――は、偶然の原理、あるいは学術上の言葉で言えば蓋然の計算、によらなければ、たやすく完全に抑えつけることができない。ところで、この計算なるものの本質は、純粋に数学的なものである。だからこそ、われわれは科学でのもっとも厳密に正確なものの変則を、思索界でもっともとらえがたいものの幻影と、非物質性とに適用しようというわけである。
 いま私が発表しようとしている異常な事件の委細は、時の順序から見て、ほとんど理解しがたい一連の暗合の第一の分派をなすものであって、その第二の、つまり終りの分派というのが最近ニューヨークで起ったメアリ・セシリア・ロジャーズ殺害事件(原注一)であることは、すべての読者諸君が認められることであろう。
 一年ほど前に、私が『モルグ街の殺人事件』と題する一文で、わが友、第五等勲爵士(2)C・オーギュスト・デュパンの性格の非常にはっきりした特徴をいくつか描こうとしたときには、その同じ題目をふたたび扱うことになろうとは思いもつかなかったのである。この性格を描くというこ…

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