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本州における蝦夷の末路
ほんしゅうにおけるえみしのまつろ
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選」 河出書房新社
2008(平成20)年1月30日
初出「東北文化研究 第一巻第四号」1928(昭和3)年12月
入力者川山隆
校正者しだひろし
公開 / 更新2010-11-02 / 2014-09-21
長さの目安約 39 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

 本編は去る七月十一、十二の両日にわたって、仙台放送局の需めに応じて放送したところであります。本州における蝦夷の末路は、実は私が創刊号以来、引続き本誌上で継続研究したい積りの東北民族研究中の主要なる部分であります。爾今なお数回にわたり、その研究を積み重ねた最後の結論としてあらわるべきものの、おもなる部分を占めているのであります。私の研究は実はまだ途中におりまして、これからさらに資料を捜索し、同好者各位の御注意を仰いで、研究を進めて参りますうちにはまた考えがどう変って参りますかもわかりませんが、大体の結論においてはあまり動かぬ積りでございます。それ故に、発表の順序に違って参りますが、初心の読者諸賢の為には、まず以てその研究の道筋なり、結果の大要なりを、あらかじめ知っておいていただく方が、かえって便宜の多い事もあろうかと存じますし、また読者諸君からの切なる勧告もありますので、それに応じてその梗概紹介の意味で、放送の草案をここに発表する事に致しました。放送の際には時間の都合で省略したところも多く、また掲載に際し、多少修正を加えまして、放送のままのものとは幾らか精しくなっておりますことは、あらかじめ御承知おきを願います。
 また本編述べるところが、すでに本誌に掲げたところ、また将来掲げるところと、多少重複する点のあるのも、これまた御承知を願います。もとよりラジオ放送の事でありますから、極めて通俗に、研究の道筋と結果とのみを引っくるめて述べたに過ぎません。その考証的論証は、これからも引続き発表する「東北民族研究」について観ていただきたい。

一 緒言

 私は本来日本古代史をおもに研究致しているものであります。その関係から、特に東北文化の研究の必要を感じまして、去る大正十三年以来、当仙台の大学へお手伝いに参り、年中の大部を東北地方に暮らしまして、主としてこの方面の研究に没頭致しているのでございます。それで本日はその研究の一部、及びこれに関する感想の一端を申し述べたいと存じます。
 申す迄もなく我が大日本帝国は、世界に一つも類の無い程の古い建国の歴史を有しているのであります。そして上に万世一系の皇室を戴き、歴代天皇の御稜威はいやが上にも輝いて、以て今日の隆昌なる国運を成すに至ったのでありますが、またそれと同じ様に私ども日本民族も、この国運の進展に伴って、終始一貫した成立発展の歴史を続けているのであります。
 しかしながら、何分にもその時代が甚だ悠遠なる大昔の事でありますから、例えば遠方の景色を眺めると同様で、大体においてその立派なことはわかりましても、細かい事情にはわかりにくいところが多いという憾みがあります。しかるに我が東北地方は、同じ日本の中でありましても、その拓殖の時代が新しく、その歴史が若い。したがって例えば近い所から景色を眺める様なもので、比較的細かい事情まで…

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