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手紙
てがみ
副題044 慶応二年十二月四日 坂本乙女あて
044 けいおうにねんじゅうにがつよっか さかもとおとめあて
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「龍馬の手紙、宮地佐一郎」 講談社学術文庫、講談社
2003(平成15)年12月10日
入力者Yanajin33
校正者Hanren
公開 / 更新2010-08-30 / 2014-09-21
長さの目安約 5 ページ(500字/頁で計算)
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本文より

おとめさんにさし上る。
兼而申上妻龍女ハ、望月亀弥太が戦死の時のなんにもあい候もの、又御国より出候もの此家ニて大ニセ話ニなり候所、此家も国家をうれへ候より家をほろこし候也。老母一人、龍女、いもと両人、男の子一人、かつへ/\ニて、どふもきのどくニて、龍女と十二歳ニなる妹と九ツニなる男子をもらい候て、十二歳の妹名きみへ、男子太一郎ハ摂州神戸海軍所の勝安房ニ頼ミたり。龍女事ハ伏見寺田や家内おとせニ頼ミ候。(是ハ学文ある女尤人物也。)今年正月廿三日夜のなんにあいし時も、此龍女がおれバこそ、龍馬の命ハたすかりたり。京のやしきニ引取て後ハ小松、西郷などにも申、私妻と為レ知候。此よし兄上ニも御申可レ被レ遣候。御申上なれバ、
[#ここから2段組み]
京師柳馬場三条下ル所、
楢崎将作(死後五年トナル。)
右妻存命
私妻ハ則、将作女也。
今年廿六歳、父母の付
たる名龍、私が又鞆トあらたむ。
[#改段]
此所にすミしが、
国家のなんとともニ
家ハほろびあとなく
なりしなり。
[#ここで段組み終わり]
正月廿三日ののちナリ。
京の屋鋪ニおる内、二月末ニもなれバ嵐山にあそぶ人[#挿絵]、なぐさみにとて桜の花もて来り候。中ニも中路某の老母(神道学者奇人也)ハ実おもしろき人也。和歌などよくで来候。此人共私しの咄しおもしろがり、妻をあいして度々遣をおこす。此人ハ曽て中川宮の姦謀を怒り、これおさし殺さんとはかりし人也。本 禁中ニ奉行しておれバ、右よふの事ニハ、尤遣所おゝき人ナリ。公卿方など不レ知者なし。是より三日大坂ニ下り、四日に蒸気船ニ両人共ニのり込ミ、長崎ニ九日ニ来り十日ニ鹿児島ニ至り、此時京留居吉井幸助もどふ/\ニて、船中ものがたりもありしより、又温泉ニともにあそバんとて、吉井がさそいにて又両りづれにて霧島山の方へ行道にて日当山の温泉ニ止マリ、又しおひたしと云温泉に行。此所ハもお大隅の国ニて和気清麻呂がいおりおむすびし所、蔭見の滝其滝の布ハ五十間も落て、中程にハ少しもさわりなし。実此世の外かとおもわれ候ほどのめづらしき所ナリ。此所に十日計も止りあそび、谷川の流にてうおゝつり、短筒をもちて鳥をうちなど、まことにおもしろかりし。是より又山深く入りてきりしまの温泉に行、此所より又山上ニのぼり、あまのさかほを見んとて、妻と両人づれニてはる/″\のぼりしニ、立花氏の西遊記ほどニハなけれども、どふも道ひどく、女の足ニハむつかしかりけれども、とふ/\馬のせこへまでよぢのぼり、此所にひとやすみして、又はる/″\とのぼり、ついにいたゞきにのぼり、かの天のさかほこを見たり。其形ハ
是ハたしかに天狗の面ナリ。両方共ニ其顔がつくり付てある。からかね也。
[#挿絵]
まむきに見た所也。
[#挿絵]
やれ/\とこしおたゝいて、はるバるのぼりしニ、かよふなるおもいもよらぬ天狗の面があり、大ニ二人りが笑たり。此所に来…

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