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〔最も親しき友らにさへこれを秘して〕
〔もっともしたしきともらにさえこれをひして〕
著者
文字遣い新字旧仮名
底本 「新修宮沢賢治全集 第六巻」 筑摩書房
1980(昭和55)年2月15日
入力者junk
校正者土屋隆
公開 / 更新2011-07-16 / 2014-09-16
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


最も親しき友らにさへこれを秘して
ふたゝびひとりわがあへぎ悩めるに
不純の想を包みて病を問ふと名をかりて
あるべきならぬなが夢の
  (まことにあらぬ夢なれや
   われに属する財はなく
   わが身は病と戦ひつ
   辛く業をばなしけるを)
あらゆる詐術の成らざりしより
我を呪ひて殺さんとするか
然らば記せよ
女と思ひて今日までは許しても来つれ
今や生くるも死するも
なんぢが曲意非礼を忘れじ
もしなほなれに
一分反省の心あらば
ふたゝびわが名を人に言はず
たゞひたすらにかの大曼荼羅のおん前にして
この野の福祉を祈りつゝ
なべてこの野にたつきせん
名なきをみなのあらんごと
こゝろすなほに生きよかし



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