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老いたるえびのうた
おいたるえびのうた
作品ID53495
著者室生 犀星
文字遣い新字新仮名
底本 「蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ」 講談社文芸文庫、講談社
1993(平成5)年5月10日
入力者日根敏晶
校正者Juki
公開 / 更新2017-03-26 / 2017-01-12
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


けふはえびのように悲しい
角やらひげやら
とげやら一杯生やしてゐるが
どれが悲しがつてゐるのか判らない。

ひげにたづねて見れば
おれではないといふ。
尖つたとげに聞いて見たら
わしでもないといふ。
それでは一体誰が悲しがつてゐるのか
誰に聞いてみても
さつぱり判らない。

生きてたたみを這うてゐるえせえび一疋。
からだじうが悲しいのだ。



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