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交歓記誌
こうかんきし
作品ID53587
著者萩原 朔太郎
文字遣い旧字旧仮名
底本 「萩原朔太郎全集 第三卷」 筑摩書房
1977(昭和52)年5月30日
入力者kompass
校正者小林繁雄
公開 / 更新2011-08-13 / 2018-12-18
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


みどりに深き手を泳がせ
涼しきところに齒をかくせ
いま風ながれ
風景は白き帆をはらむ
きみはふんすゐのほとりに家畜を先導し
きみは舞妓たちを配列し
きみはあづまやに銀のタクトをとれ
夫人よ、おんみらはまた
とく水色の籐椅子に酒をそそぎてよ
みよ、ひとびときたる
遠方より魚を光らし
淫樂の戲奴は靴先に鈴を鳴らせり。
ああ、いま新らしき遊戲は行はれ
遠望の海さんさんたるに
われ諸君とゆびさし
眺望してながく塔下に演説す。



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