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断片
だんぺん
著者
文字遣い新字新仮名
底本 「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」 新日本出版社
1987(昭和62)年5月25日
初出「無産詩人」1924(大正13)年7月創刊号
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2016-01-23 / 2015-12-30
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


ノスケ万歳!
 プロレタリアは武装を解かれた
     ――ゲオルグ・グロッス――

むくれあがった傷口から白い蛆虫は這い出した
蠅は飛び出した小腸を喰べている
 風が吹く
 転がっている銃殺死体!
ほんとうに射撃された心臓は歪んでいた
兵隊の靴の音は飢えた群衆の中から
 ピストル!
  奴らの銃剣は!
 切断された太陽の注ぐ光の下にひかり
おれらの脳髄を 心臓を指さしている
 掘立小屋から瘠せ細った手
充血した瞳は考えている
 バラバラになったかれらの死骸!
風が吹く
 蠅が飛ぶ
生ぐさい草いきれ
 ――奴らは爆弾を持っていたんだ
 ――ゆうべ 小銃の音が!
 ――どこに爆弾が!
 ――ビラがはってある
歩哨の肩はひろく 勝ちほこっている
 だれが殺されたんだ
 奴らさ!
 *******
放心した群衆の足は不安にうろついている
何処へ行こう!
 風が吹く
 蠅が飛ぶ
  転がっている銃殺死体!
 粉微塵の頭蓋骨!
死体になってかれらの瞳は一点をみつめている
  飛び散っている手!
おれは知っている
 太陽は切断された
萎びた心臓の傷は真赤にひかる。
(『無産詩人』一九二四年七月創刊号に発表 『陀田勘助詩集』を底本)



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