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レポーター
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著者
文字遣い新字新仮名
底本 「日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)」 新日本出版社
1987(昭和62)年5月25日
初出「プロレタリア詩」1931(昭和6)年11月号
入力者坂本真一
校正者雪森
公開 / 更新2016-01-27 / 2015-12-24
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


夜の十一月
北国はもう冬の寒さだ
硝子屑のような鋭い空ッ風が
日本海を越えて吹いて来る
荒涼とした夜の越後平野に
点々とみえるにぶい灯
あれはみんな仲間の住家だ

革命記念日の闘争を前に
ヨビ検の魔の手を逃れ
移動事務所を此処に持った二人の書記
今日で四日の穴居生活だ
沈黙の中に一切の準備は終り
武装された兵士は
現在――
戦いの野に旅たたんとしている

そとは夜更けだ
野末を渡る夜烏の声
全神経を耳もとへ集めて
 (あれは犬の遠吠えだ)
宜し、時刻だ
パッと灯が消える
暗――
「ひとっ走りに行って来るよ」
「ん、大胆に細心に……」
「オーライ」
レポーター仙吉は
納屋の小窓を飛び越えて
暗の中へ――
(『プロレタリア詩』一九三一年十一月号に発表)



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