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吸い殻
すいがら
著者漢那 浪笛
文字遣い新字旧仮名
底本 「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会
1991(平成3)年6月6日
初出「沖縄毎日新聞」1911(明治44)年1月9日
入力者坂本真一
校正者良本典代
公開 / 更新2017-02-25 / 2017-01-12
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)
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本文より


午前七時、
時刻が来たいざ学校へ。

晩秋の市街の上を、
悲しげに風は泣きすぐ。

絶えずしたゝる冷たい鼻汁を、
すゝりつゝ道を通る。

ふとして眼にとまる白い吸い殻、
誰れが手から投げ捨てられし……。

もどかしい黄色な煙は、
力なく渦をまいて漂ふ。

火の気衰ろへ、煙が消えると、
死人の影がちらつく。

今一しきり秋空が吹き過ぐる、
吸い殻は空しく地上を転ろげる。



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