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「女人芸術」か「女人大衆」かの批判について
「にょにんげいじゅつ」か「にょにんたいしゅう」かのひはんについて |
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作品ID | 15969 |
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著者 | 宮本 百合子 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「宮本百合子全集 第三十巻」 新日本出版社 1986(昭和61)年3月20日 |
初出 | 「女人芸術」1931(昭和3)年5月号 |
入力者 | 柴田卓治 |
校正者 | 土屋隆 |
公開 / 更新 | 2007-12-27 / 2014-09-21 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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「女人芸術」という名をかえることには大いに賛成です。しかし、「女人大衆」というのは、どうでしょうか。「女人」という字は、もう数年前、日本でブルジョア女性解放運動が盛んだった時分、「女も人なり」という意味で新鮮さが感じられた言葉だったろうと思います。
けれども、現代のわれわれ、及び、これからこの雑誌をよむ人が「女人」という字に新しい力を感じるかと云うと、どうも逆らしく思う。「婦人大衆」としたらどうでしょう。粉飾なくていいではありませんか。「婦人」という字のわからない女はない。だが「女人」という文字をこのむ女には、われわれが清算しようと努力する過去の階級的遺物がきっとある。題を、スッパリ分りやすくすることによって、先ず雑誌の啓蒙的立場を明かにしようではありませんか。
〔一九三一年五月〕