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帝室論緒言
ていしつろんしょげん
作品ID18362
著者飯田 平作
文字遣い旧字旧仮名
底本 「福澤諭吉全集 第5卷」 岩波書店
1959(昭和34)年8月1日
初出「帝室論」時事新報社、1882(明治15)年5月
入力者小澤晃
校正者フクポー
公開 / 更新2020-12-01 / 2020-11-27
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


 我日本の政治に關して至大至重のものは帝室の外にある可らずと雖ども、世の政談家にして之を論ずる者甚だ稀なり。蓋し帝室の性質を知らざるが故ならん。過般諸新聞紙に主權論なるものあり。稍や帝室に關するが如しと雖ども、其論者の一方は百千年來陳腐なる儒流皇學流の筆法を反覆開陳するのみにして、恰も一宗旨の私論に似たり。固より開明の耳に徹するに足らず。又一方は直に之を攻撃せんとして何か憚る所ある歟、又は心に解せざる所ある歟、其立論常に分明ならずして文字の外に疑を遺し、人をして迷惑せしむる者少なからず。畢竟論者の怯懦不明と云ふ可きのみ。福澤先生茲に感ありて帝室論を述らる。中上川先生之を筆記して通計十二篇を成し、過日來之を時事新報社説欄内に登録したるが、大方の君子高評を賜はらんとて、近日に至る迄續々第一篇以來の所望ありと雖ども、新報既に缺號して折角の需に應ずること能はず。今依て全十二篇を一册に再刊し、同好の士に頒つと云。
明治十五年五月
編者識



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