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最後の丘
さいごのおか |
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作品ID | 1885 |
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著者 | 漢那 浪笛 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会 1991(平成3)年6月6日 |
初出 | 「沖縄毎日新聞」1911(明治44)年1月11日 |
入力者 | 坂本真一 |
校正者 | 良本典代 |
公開 / 更新 | 2017-02-25 / 2017-01-12 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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なつかしい丘の上、
棕呂の若葉のそよぎに、小鳥の唄。
傾むきつくす夕月も、
見る/\最後の接吻を残して、
深い々々、海のかなたへ
去らうとする、
なつかしい丘の上に、Kの君を持つ心よ!
夢を語るやうな春の風に
顫へる。
葉ずれの音に眼が狂へば、
西へ東に、足が動きだす………………
夫れと思ふ俤が、更に眼にとまらぬ。
胸を抱いて、若かい悲しみに沈む。
林の間に、夜の色が浮び出した。――
黒ろい怖ろしい影は
私の魂を厭し始める。
もう是れが私のKの君に対する最後だ!