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暮れ方の窓
くれがたのまど
作品ID2043
著者漢那 浪笛
文字遣い新字旧仮名
底本 「沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ」 国書刊行会
1991(平成3)年6月6日
初出「沖縄毎日新聞」1911(明治44)年6月12日
入力者坂本真一
校正者良本典代
公開 / 更新2017-06-09 / 2017-04-03
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


常に夢見る女のすがた!
夕暮れ方、
しめやかな窓にしのんで来る。

なつかしい想ひは浪のやう…………。

みつむれば、朦ろにかすみ、
ちかよれば、闇のなかにとろけて、
果ては見えなくなる。

物 消えし後 悲しいことよ!

どこかにすゝり泣きが消えた。
夫れは、鬢のほつれにからんだ、
青い火のこのやうだ

つひ、私は二つ 眼を掩ひ、
闇の窓にうつ伏した。



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