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参政取のけは当然
さんせいとりのけはとうぜん |
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作品ID | 3072 |
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著者 | 宮本 百合子 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「宮本百合子全集 第十四巻」 新日本出版社 1979(昭和54)年7月20日 |
初出 | 「読売新聞」1923(大正12)年11月6日号 |
入力者 | 柴田卓治 |
校正者 | 米田進 |
公開 / 更新 | 2003-07-03 / 2014-09-17 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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法制会が、婦人参政権の問題を否決したのは、さまで意外なことではありません。何にしろ日本は、やっと普通選挙が実現されるかされないかと云う、社会進化の途上にあります。
英国でさえ、殆ど百年に近い時日を費したこの問題が、そう一朝一夕に片づこうとは思いません。実際運動に携わっている婦人達も、これで失望したり、騒ぎ立てたりするよりは、もう少し根気よく、実力を蓄えつつ賢い忍耐で、人生の大局を見まもる訓練を得ていますでしょう。
私一箇人としては、今迄の通り同性のそう云う運動に、好意と感謝を含めた沈黙の視線を向けながら、自分の選んだ道に専念しつづけるばかりです。
〔一九二三年十一月〕