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ジムバリストを聴いて
ジムバリストをきいて
作品ID3716
著者宮本 百合子
文字遣い新字新仮名
底本 「宮本百合子全集 第十七巻」 新日本出版社
1981(昭和56)年3月20日
初出「婦人之友」1922(大正11)年6月号
入力者柴田卓治
校正者磐余彦
公開 / 更新2003-11-09 / 2014-09-18
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より




 ジムバリストの演奏をきき、深く心に印されたことは、つまり芸術は、どんな種類のものでも、真個のよさに至ると、全く同じような感動、絶対性を持っていると云うことです。自分は、まるで素人で、楽譜に対する知識さえ持っていませんでした。けれども、音に、胸から湧く熱と、精神の支配力との調和が、驚くほど現れ、小説で、所謂技巧内容と云う考えの区別のしかたに、新しい眼を開かせられました。
〔一九二二年六月〕



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