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外来の音楽家に感謝したい
がいらいのおんがくかにかんしゃしたい |
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作品ID | 3720 |
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著者 | 宮本 百合子 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「宮本百合子全集 第十七巻」 新日本出版社 1981(昭和56)年3月20日 |
初出 | 「女性」1922(大正11)年12月号 |
入力者 | 柴田卓治 |
校正者 | 磐余彦 |
公開 / 更新 | 2003-11-09 / 2014-09-18 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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ジムバリスト氏の来朝や、アンナ・パヴロワ、近くパーロー女史等の来られた為め、私共芸術を愛する者は、各自の程度なりに、どの位得る処があったかわかりません。ジムバリストの絃の或る音や、「瀕死の白鳥」、或る小品の美が今も心に生きています。
フランス現代美術展覧会に陳列されたロダンの彫刻数点、クローデル嬢の作品も、深い感激を与えたものです。
読んだものの中では、「神曲」、ゲーテの作品数種。
印象の種類から云えば、まるで其等のものとは異いますが、先達て中、二科にあった「懶画房」? と云う絵。あれが時々思い出されます。あの画面に漲っていた傷心の感、自分が時に苦しむ或る気分が、不思議に柔かい黄色帽となって、椅子にとまった瘠男の頭にのっているような気がしました。
〔一九二二年十二月〕