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私の愛読書
わたしのあいどくしょ |
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作品ID | 4007 |
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著者 | 宮本 百合子 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「宮本百合子全集 第十七巻」 新日本出版社 1981(昭和56)年3月20日 |
初出 | 「サンデー毎日」1946(昭和21)年5月5日号 |
入力者 | 柴田卓治 |
校正者 | 磐余彦 |
公開 / 更新 | 2003-12-21 / 2014-09-18 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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愛読という言葉の普通の使いかたとは違うけれども、非常に感銘をもってよみ、人類の歴史の精髄を学んだ二つの本をあげます。
エンゲルス著「家族・私有財産及国家の発生」
同 「空想から科学へ」
前者は、題名がこの卓抜で美しい社会の歴史の内容を語っております。後者は、人間社会に、何故貧富の差が生じたか。その社会的な不幸をなくしようとして、優れた人々がどんなに努力して来たか。そして、この人間らしい努力は、だんだん空想的な方法から科学的な理解と方法とを発見して来て、今日、私どもの将来に幸福建設の可能を示すものとなって来た歴史の、不抜な歩みを物語っている書物です。
〔一九四六年五月〕