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|  序(『昼夜随筆』) じょ(『ちゅうやずいひつ』) | |
| 作品ID | 4114 | 
|---|---|
| 著者 | 宮本 百合子 Ⓦ | 
| 文字遣い | 新字新仮名 | 
| 底本 | 「宮本百合子全集 第十八巻」 新日本出版社 1981(昭和56)年5月30日 | 
| 初出 | 「昼夜随筆」白揚社、1937(昭和12)年4月 | 
| 入力者 | 柴田卓治 | 
| 校正者 | 磐余彦 | 
| 公開 / 更新 | 2004-04-11 / 2014-09-18 | 
| 長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) | 
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 この集にまとめられている感想評論は、大体一九三四年の秋から一九三五年の春ごろまでに書かれたもの、及び一年ばかりとんで、一九三六年の初夏から今日に至るまでの間に書かれたものである。
 文章としてここに収めるべき何ものをも持つことが出来なかった一ヵ年程の期間の生活の経験は、おのずから、その後にかかれたものの内容の裡に蓄積されていると思う。
 私は、小説を書いてゆく地力の骨組みを強くする意味からも、適当な機会に評論風な仕事に於いて自分をもっと鍛煉してゆきたいと希望している。はじめは随筆も入る予定であったので、昼夜随筆という題を思いついたのだが、急に頁の都合で随筆の部分が入らないことになった。題ばかりに随筆がついていて可笑しいことになったが、別にこれぞという妙案もなくそのままにした。
   一九三七年三月十九日
〔一九三七年四月〕