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![]() あるひのどうぶつえん |
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作品ID | 44401 |
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著者 | 岸田 国士 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「岸田國士全集20」 岩波書店 1990(平成2)年3月8日 |
初出 | 「手帖 第一巻第二号」1927(昭和2)年4月1日 |
入力者 | tatsuki |
校正者 | 小林繁雄、門田裕志 |
公開 / 更新 | 2005-10-27 / 2014-09-18 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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鷲がその威風に似ず、低脳らしい金属性の声をたてた。
支那の聖人に似てゐる駱駝が、唇をふるはせながら子供にせんべいを貰つてゐる。彼女は、それを見て、やつぱり日向ぼつこをしてゐるときが一番好きだと云つた。
火食鳥は神主。駝鳥は DEMI-MONDAINE のなれの果て。
「さけい」といふ鳥の前で、彼女はまた、「農民ね」と呟いた。
眠つてゐる獅子の檻に近く、長髪の男が、しきりに、「怒れる獅子の図」を描いてゐた。
なまめかしきは黒豹。
熊と川獺は友だちにもちたくない。