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演劇雑誌
えんげきざっし
作品ID44459
著者岸田 国士
文字遣い新字旧仮名
底本 「岸田國士全集23」 岩波書店
1990(平成2)年12月7日
初出「東京朝日新聞」1937(昭和12)年5月15日
入力者tatsuki
校正者門田裕志
公開 / 更新2009-12-08 / 2014-09-21
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より




 月々僕のところへ来る演劇雑誌が十種あまりある。そのうち純粋に「新劇的」と云へるものは二三に過ぎない。
「テアトロ」はソヴイエート的活気とエスペラント風の超国境性に満ちた研究雑誌であるが、今月は三周年記念号を出してゐる。なかなか啓蒙的ではあるが、一方日本の新劇運動を強引に一色化しようとする気配が感じられる。
          ×
「劇と評論」は時々調子が違ふので面喰ふ。近頃は評論陣を強化したやうに見える。「音楽と演劇」は杉野氏の薀蓄に聴くべく、スタニスラフスキイの「俳優修業」は好個の参考資料である。戯曲については、この雑誌あたりがもつと新風をもたらしてくれなければ淋しい。
「劇作」五月号の戯曲「湖心荘」は力作でしかも面白さうだ。今ついたばかりで二三頁しか読んでゐないが、いゝ才能の匂ひを嗅いだ。この雑誌は僕には縁の深い雑誌だが、今度の同人座談会は悪趣味だ。
          ×
「東宝」といふ宣伝雑誌がある。毎月巻頭に小林一三氏が「問はず語り」といふ一文をのせてゐる、が凡そ妙なことを平然と云つてゐる社長ぶりが面白い。但しその配下にある専門家は黙つてゐていいのか。



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