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平野義太郎宛書簡
ひらのよしたろうあてしょかん |
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作品ID | 4454 |
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副題 | 07 一九三二年九月八日 07 せんきゅうひゃくさんじゅうにねんくがつようか |
著者 | 野呂 栄太郎 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「野呂栄太郎全集 下」 新日本出版社 1994(平成6)年12月5日 |
入力者 | 山田剛 |
校正者 | 土屋隆 |
公開 / 更新 | 2005-04-29 / 2014-09-18 |
長さの目安 | 約 2 ページ(500字/頁で計算) |
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御手紙拝見仕りました。いろいろと御尽力を感謝申し上げます。編集会議の模様についてはその都度井汲君から伺っています。
小倉氏の自然科学史に岡氏が協力する点については岡氏の政治的立場(というよりは氏の周囲の政治的傾向)から判断して、私は最初から危虞の念をもっており、羽仁氏や貴下にも多分その意をもらしたように記憶しております。で、もし、自然科学史が殆んど岡氏によって書かれたとすれば、御手紙のようなことは不可能だと思います。そのまま二、三字句の修正位で発表することは恐らく適当でないと存じます。全面書き改めてもらうか、編集者の方で徹底的に修正加筆するか(もし可能なら)、いずれにするにしても一度原稿を拝見したいと思います。
「唯物論研究所」表面上の主催者達の政治的傾向については今さら論議するまでもありませんが、その背後についても幾多警戒すべき傾向が想像されますから御入会等のことのないことを希望します。自然科学史の原稿井汲氏に御渡し下されたく、なお、御都合できましたら次の日曜か月曜頃御来駕を煩わし得れば幸に存じます。
まずはとりあえず御返事まで。
九月八日
栄太郎
平野様
侍史