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ジーブルグ著「神はフランスにゐるか」
ジーブルグちょ「かみはフランスにいるか」 |
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作品ID | 44669 |
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著者 | 岸田 国士 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「岸田國士全集25」 岩波書店 1991(平成3)年8月8日 |
初出 | 「読売新聞」1941(昭和16)年4月30日 |
入力者 | tatsuki |
校正者 | 門田裕志 |
公開 / 更新 | 2010-03-11 / 2014-09-21 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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フランスについて語られた書物のうち、これほど公平にフランスを観、批評したものは、これまでにも少くはないかと思ふ。しかもそれがドイツ人の手になつたものであるところが面白く、嘗てスタアル夫人が「ドイツについて」を書いた、あの態度よりも一層われわれには好ましいものに感じられる。一外国人としてフランスを愛し、しかも、容赦なくその病弊をつくところ、フランスは国外によき友を持つたといひたいくらゐである。
深尾さんも、その「よき友」の一人であるに相違なく、この書物に心惹かれ、これをわが国に紹介することを思ひ立たれた理由は、私にはよくわかる。フランスのためにも、またそれ以上に、わが日本のためにも、意義深いお仕事だつたと申したい。