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「現代戯曲全集第十七巻」の跋に代へて
「げんだいぎきょくぜんしゅうだいじゅうななかん」のばつにかえて |
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作品ID | 44868 |
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著者 | 岸田 国士 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「岸田國士全集28」 岩波書店 1992(平成4)年6月17日 |
初出 | 「現代戯曲全集第十七巻」国民図書株式会社、1926(大正15)年4月21日 |
入力者 | 門田裕志 |
校正者 | noriko saito |
公開 / 更新 | 2011-04-06 / 2014-09-16 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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芝居といふものを強ひて大勢に見せるものだと考へる必要はない。
或ることを云ふために芝居を書くのではない。芝居を書くために或ることを云ふのだ。
所謂「劇的」でない劇があつてもいゝ。所謂「小説的」でない小説があるやうに。
音楽を聴きに行くやうに芝居を観に行く人々――さういふ人々のために戯曲を書きたい。
芝居を観に行くのがいやになつたぐらゐで、芝居を書くことを止めはしない。
芝居を書くといふことのうちには、芝居を観る楽みも大方含まれてゐる。今日の舞台は――劇場は、俳優は――「昨日の戯曲」の為めに作られたものだ、と思つてゐてもいゝではないか。