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〈あかい、やさしい はなもやうが〉
〈あかい、やさしい はなもようが〉
作品ID44927
著者村山 籌子
文字遣い新字旧仮名
底本 「日本児童文学大系 第二六巻」 ほるぷ出版
1978(昭和53)年11月30日
初出「子供之友」婦人之友社、1924(大正13)年11月
入力者菅野朋子
校正者noriko saito
公開 / 更新2011-02-10 / 2014-09-21
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


あかい、
やさしい はなもやうが、
とびとびに ついた
きものをきて、
あをい やはらかい
おびを しめた、
しづかな、おとなしい
をんなのこどもが、
そろり、
そろりと、
いつぱい とほる。
いつぱい とほる。
ほんとに わたしは
らんばうもの
おさらは こはすし
インクは こぼすし
時計は ころがすし
おはしは をるし
ばた/\ あるくし
むしは ころすし、
わたしは
せかいのらんばうもの。
わたしのふくが赤かつたら、
わたしのおびが青かつたら、
わたしは もうすこし
おとなしいのに。
らんばうもの。
おかあさまもおつしやつた。
おにいさまもおつしやつた。
そして、
お前は
いゝ子だとは、
けつして、けつして
おつしやらない。
もしも わたしが
おとなしい
女のこどもにうまれたら、
わたしは どんなに
うれしいかしら。
そして、わたしは
ほんとに、ほんとに
やさしさうに笑ひながら
おてんとさままで、
あるいてゆかう。
そろり、
そろりと、
あるいてゆかう。



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