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あひるさん と にはとりさん
あひるさん と にわとりさん
作品ID44964
著者村山 籌子
文字遣い新字旧仮名
底本 「日本児童文学大系 第二六巻」 ほるぷ出版
1978(昭和53)年11月30日
初出「子供之友」婦人之友社、1929(昭和4)年9、11~12月
入力者菅野朋子
校正者noriko saito
公開 / 更新2011-09-18 / 2014-09-16
長さの目安約 6 ページ(500字/頁で計算)

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本文より

しんせつなあひるさんのおかあさん



 にはとりさんが、あひるさんのところへあそびにゆきました。
 あひるさんは、鉛筆を五本もなくしてしまつたので、こまつてゐます。


 あひるさんは、にはとりさんにいひました。
「僕は、どうも鉛筆は、お池のなかにあるやうな気がするよ。」とお池のなかへとびこんでさがしはじめました。


 にはとりさんはいひました。
「僕はどうも、畑のなかにおつこちてるやうな気がするよ。」と畑をほじくりかへしました。
 けれども見つかりませんでした。


 二人は一日中、ほじくつたり、もぐつたりしたので、どろだらけになりましたので、あひるさんのお母様がお風呂にいれてくださいました。
 そして、こんなにきれいになりましたので、ごほうびに鉛筆をくださいました。

あひるさんのおたんじやう日



 あひるさんのお母さんは、あひるさんのおたんじやう日に、にはとりさんと、にはとりさんのお母さんをごちさうによびました。


 食堂にはいつてごちさうを食べやうとしますと、急に、停電でまつくらになりました。


 一時間ばかりして電気がついて、テーブルの上を見ますと、沢山あつたごちさうは影も形もなくなつてゐます。あひるさんとにはとりさんがくらいうちに食べてしまつたからです。


 あひるさんのお母さんと、にはとりのお母さんは、がつかりしましたが、しかたがありませんので、紅茶だけで、がまんしました。

わがままをいつたばかりに



 あひるさんはお母さんに、すてきな帽子を買つていたゞきましたが、気に入りません。学校へゆくのにこのとほり、お帽子を羽根の下へかくして行きました。


 にはとりさんは あたらしいおくつを買つていただいたのに、「あんまり新らしすぎてはづかしいや」といつて、カバンの中へねじこんで、はだして学校へ。


 学校へ行きますと、二人は、頭と、足がいたくなりました。先生は、すぐ二人を自動車にのせて、お家へ送りとゞけて、おつしやいました。
「もう二三日は、おとこの中でぢつとしてゐないといけません。」


 二人は、ベツドの中で、なきました。けれども、いたしかたございませんでした。

プールへゆきました



 あひるさんと にはとりさんは あつくて たまらないので 黒と 赤との水着をきて プールへ 出かけました。


 あひるさんは 水泳の選手なので 大とくゐになつて 水中めがねなんぞ かけたりして およぎまわりました。
 にはとりさんは こわくて水の中に はいれません 高い木のてつぺんにとまつて あひるさんの泳ぐのを見ました。


 そのうちに あひるさんは 水の中にあんまり長くゐたので さむくなつて ふるへだしました にはとりさんは 高いところにゐたので 暑くて 汗がながれました。


 それを見た しん…

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