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いぬさん と おねこさん
いぬさん と おねこさん |
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作品ID | 44967 |
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著者 | 村山 籌子 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「日本児童文学大系 第二六巻」 ほるぷ出版 1978(昭和53)年11月30日 |
初出 | 「子供之友」婦人之友社、1930(昭和5)年1月~2月 |
入力者 | 菅野朋子 |
校正者 | noriko saito |
公開 / 更新 | 2011-09-24 / 2014-09-16 |
長さの目安 | 約 2 ページ(500字/頁で計算) |
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ゑほん
いぬさん と おねこさん が ストーヴ に あたりながら ハイカラな ゑほん を みて ゐました。
いぬさん が まうしました。
「ぼく は なぜ こんな ハイカラな 犬 に うまれなかつたんだらう。このちぢれた毛 は どうだ」と じぶん の みじかい毛 を ひつぱりました。
「ああ あたし は どうして この ペルシヤねこに うまれなかつたんでせう。この 大きな 目[#挿絵]」と ゑほんの 猫を みて おねこさん は まうしました。
二人 は がつかりして しまひました。が、ストーヴ の 火 が あんまり あたたかかつたので ねむつて しまひました。
おしやうがつ ぐわんじつ の ばん のことで ありました。
さんぽ
一
おねこさんが散歩してゐました。
二
風が吹いてきて、お猫さんのかたかけが飛ばされました。かたかけは川の中へ。
そこへ犬さんがやつてきて、二人で川のそこにしづんでゐるかたかけをみつけました。
三
「いぬさん。あなたは水およぎができるんでせう? とつて下さい。」とおねこさんがいひました。いぬさんは、
「こんなにさむくちやあ、とれない。なつになるまで待たう」と、いひました。
四
それを見てゐた、あひるさんのおぢさんが、水の中にとびこんで、とつてくれました。
二人は、あんまりうれしくて、おれいもいはずに家にかへりました。
あひるのおぢさんは、ぶつ/\おこりましたが、のんきなおねこさんといぬさんは、それに気がつきませんでした。