『デパートの窓』新美南吉 ◀ えあ草紙・青空図書館（無料・縦書き）

デパートの窓デパートのまど
作品ID	45090
著者	新美南吉 Ⓦ
文字遣い	新字旧仮名
底本	「日本児童文学大系　第二八巻」　ほるぷ出版 1978（昭和53）年11月30日
初出	「赤い鳥」赤い鳥社、1931（昭和6）年11月
入力者	菅野朋子
校正者	noriko saito
公開 / 更新	2011-01-29 / 2014-09-21
長さの目安	約 1 ページ（500字/頁で計算）

えあ草紙で読む

▲ PC／スマホ／タブレット対応の無料縦書きリーダーです ▲

朗読を検索

作品レビュー

Kindle　楽天Kobo　Playブックス

青空文庫の図書カードを開く

えあ草紙・青空図書館に戻る

本文より

デパートの窓の、
カーテンがするりとあいた。
時計がカン／＼六つなる。

デパートの窓から、
パンをやくにほひがながれた。
時計がカン／＼八つなる。

デパートの窓に、
パラソルの花がひらいた。
時計がカン／＼十もなる。

デパートの窓に、
ソーダ水を、三人すつた。
時計がカン／＼十二なる。

デパートの窓から、
カン／＼帽子落とした。
時計がカン／＼二つなる。

デパートの窓から、
ゆつくりと雲が出た。
時計がカン／＼四つなる。

デパートの窓から、
シヤボンのにほひがながれた。
時計がカン／＼六つなる。

デパートの窓に、
カーテンがするりとひかれた。
時計がカン／＼八つなる。