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島
しま |
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作品ID | 45096 |
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著者 | 新美 南吉 Ⓦ |
文字遣い | 新字旧仮名 |
底本 |
「日本児童文学大系 第二八巻」 ほるぷ出版 1978(昭和53)年11月30日 |
初出 | 「赤い鳥」赤い鳥社、1932(昭和7)年12月 |
入力者 | 菅野朋子 |
校正者 | noriko saito |
公開 / 更新 | 2011-01-24 / 2019-02-12 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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島で、或あさ、
鯨がとれた。
どこの家でも、
鯨を食べた。
鬚は、呻りに、
売られていつた。
りらら、鯨油は、
ランプで燃えた。
鯨の話が、
どこでもされた。
島は、小さな、
まづしい村だ。
(註。鯨の鬚は、凧の呻りに用ゐられます。)