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八ガ岳大門沢
やつがだけだいもんさわ
作品ID45390
著者松濤 明
文字遣い新字新仮名
底本 「新編 風雪のビヴァーク」 山と溪谷社
2000(平成12)年3月20日
入力者川山隆
校正者岡山勝美
公開 / 更新2015-01-27 / 2014-12-15
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


松濤明 単独
昭和十六年八月十一日 曇時々雨
清里(七・四〇)―大門沢本流(一一・〇〇)―バットレス下(一三・二〇)―リッジ(一三・五〇〜一四・〇〇)―赤岳北峰(一四・二五〜一四・三〇)―清里(一六・三五)

 甲府で駅弁を買いそこね、小淵沢のチャチなチラシで朝食をしたため、初めから終りまで顎を出した一日。大門沢下部では複雑な地形に手痛くほんろうされる。両俣とも被った滝に入口を扼された顕著な二俣を右に入り、烏帽子状ピークのガリーを登ってピーク背後のリッジへ出た後、リッジをバットレス下へと辿る。
 腹がへって目が廻りそうなので、赤岳へ最短コースによって登るべく、バットレス正面やや右寄りのチムニーに入ったところが、不精の天罰てき面、とたんに雨をくい、チムニー上部で苦心した。リッジは這松で、主に左側を登って北峰に達す。



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