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小説集「白い朝」後記
しょうせつしゅう「しろいあさ」こうき |
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作品ID | 45946 |
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著者 | 豊島 与志雄 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「豊島与志雄著作集 第六巻(随筆・評論・他)」 未来社 1967(昭和42)年11月10日第1刷 |
初出 | 「白い朝 ――小悪魔集――」河出書房、1938(昭和13)年7月 |
入力者 | 門田裕志 |
校正者 | Juki |
公開 / 更新 | 2013-06-28 / 2014-09-16 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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茲に収められてるものは、都会の知識階級のおかしな物語である。これらの物語はみな、小悪魔の角度から眺められた。小悪魔は虚構の人物であるが、この場合、必要な創作技法であり、モラール探求の特殊な触手であった。だが、この類の物語を更に蒐集することに、小悪魔は退屈しないだろうけれど、作者は恐らく倦きるだろう。それ故作者はすぐに、少年正夫にとびついていった。正夫は結論であり、また新たな出発点である。前途はおのずから開けてくるであろう。――作者記す。