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日記
にっき |
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作品ID | 46261 |
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副題 | 31 一九四八年(昭和二十三年) 31 せんきゅうひゃくよんじゅうはちねん(しょうわにじゅうさんねん) |
著者 | 宮本 百合子 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「宮本百合子全集 第二十五巻」 新日本出版社 1981(昭和56)年7月30日 |
入力者 | 柴田卓治 |
校正者 | 富田晶子 |
公開 / 更新 | 2020-01-21 / 2020-01-07 |
長さの目安 | 約 58 ページ(500字/頁で計算) |
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一月二十九日
(木)
午前七時四十分急行で、宮、京都、河上肇記念。すぐ信州にまわる一週間のヨテイ。
多賀子帰ることにきまる。
一月三十日
(金)
豊島与志雄と対談
酒をのむ人の話しかた、旧い知性の腰のぬけたするどさ、しみじみそれを感じ、一つのタイプを見た。
アプリオリーにたよりすぎている。
一月三十一日
(土)
所得税申告十万円にして二万幾千を。昨夜計算したら十一万円以上未払い。
宇佐美上京。
「道標」四まで終る 6
○こんどの宮の旅行は、家じゅうのもののためによかった。彼のためにも気が変ってよかったことを祈る。自分おちついて仕事したしうちのもの気分もまとまった、淋しくなかった。
二月一日
(日)
咲江[#大森咲江]、体にシッ疹が出来て春から秋までこまる由、尾崎さん、それは先天梅毒のケッカクということで我々は恐慌を生じた。咲江は可哀そうと思う。
二月二日
(月)
咲江、結核ヨボー会へやる。
○体の手入れをしてずっといさせることにする。一時大森さんにあずけるにしても。
二月三日
(火)
○久しぶりで永見一家夕飯。
○山根印税全部もって来た
○仕事いよいよレーニングラードまで来た。94枚
粉雪やみぞれ降る。
二月四日
(水)立春
○江井芳三、病気キトク、紀さんに見マイ 1,000 タノム
○仕事八枚半(一〇二枚)
百舌鳥のような鳥の声もした、きょうは初めてやぶ鶯の声がした、いつもの竹やぶで。
二月六日
(金)
江井死去
ムシに殺されたとはおそろしい
二月八日
(日)
多賀子
江井の葬式
宮かえる。
二月九日
(月)
小説、いい気持になってしまいすぎていることが発見され、大童でこね直しに着手。
二月十二日
(木)
小説67枚わたす。
二月十四日
(土)
太平洋問題研究会のレポート、大森さんに手つだって貰って口述はじめる。
二月十五日
(日)
〃
二月十六日
(月)
〃
お茶の水のキカン誌に「歳月」八枚かく。
二月十七日
(火)
〃
二月十八日
(水)
〃
二月十九日
(木)
〃
二月二十日
(金)
〃
二月二十五日
(水)
コマゴメ
午後六―八
二月二十六日
(木)
三月三日の「女の仕事」対談の吹きこみ。
北海開発とかいう軽薄な男
二月二十八日
(土)
井草会出席
三月五日
(金)
太平洋問題研究会のレポート 130 大体出来上ってわたす。冒頭まだあとから十枚ぐらいつく。
三月六日
(土)
早朝7時40の汽車で宮、太田、岡山をはじめ山陰から山口の旅行に出発。
午後図書館へ行ったら、間ちがって新聞を出し失敗。
三月七日
(日)
けさ、なかなか疲れておきられず。やっとひる近く行って、…