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良心・第一義
りょうしん・だいいちぎ |
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作品ID | 46708 |
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著者 | 夢野 久作 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「夢野久作全集7」 三一書房 1970(昭和45)年1月31日 |
初出 | 「ぷろふいる 4巻5号」1936(昭和11)年5月 |
入力者 | 川山隆 |
校正者 | 土屋隆 |
公開 / 更新 | 2007-08-23 / 2014-09-21 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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良心
財産を私有する勿れ
心念を私有する勿れ
汝の全霊を万有進化の流れと
共鳴一致せしめよ
常に無限なれ
万古に清朗なれ
良心は一切の本能が互いに統制し、自他の共鳴を完全にして、人文の進化を極致に導き来り、導きつつあり、導き行かんとする人類共通の最重大の本能也。
本能の集合体也
[#改段]
第一義
人間の思う事は皆妄想である
哲学でも宗教でも唯物思想でも何でも
人類文化は全部妄想の文化である
現代文化は第二義の文化である
この文も又……である
自然物は皆第一義の花を咲かし
第一義の実を結んでいるのに
人間ばかりは第二義の花と実を誇りとし
これがために第一義の真と美を犠牲にし
軽蔑している
汝が汝を支配する時
汝は死物となる
支配せず
支配せられざる汝は
生きた汝である
自然の汝である。