えあ草紙・青空図書館 - 作品カード

作品カード検索("探偵小説"、"魯山人 雑煮"…)

楽天Kobo表紙検索

良心・第一義
りょうしん・だいいちぎ
作品ID46708
著者夢野 久作
文字遣い新字新仮名
底本 「夢野久作全集7」 三一書房
1970(昭和45)年1月31日
初出「ぷろふいる 4巻5号」1936(昭和11)年5月
入力者川山隆
校正者土屋隆
公開 / 更新2007-08-23 / 2014-09-21
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

広告

えあ草紙で読む
▲ PC/スマホ/タブレット対応の無料縦書きリーダーです ▲

find 朗読を検索

本の感想を書き込もう web本棚サービスブクログ作品レビュー

find Kindle 楽天Kobo Playブックス

青空文庫の図書カードを開く

find えあ草紙・青空図書館に戻る

広告

本文より




  良心

財産を私有する勿れ
心念を私有する勿れ
汝の全霊を万有進化の流れと
共鳴一致せしめよ
常に無限なれ
万古に清朗なれ
良心は一切の本能が互いに統制し、自他の共鳴を完全にして、人文の進化を極致に導き来り、導きつつあり、導き行かんとする人類共通の最重大の本能也。
 本能の集合体也
[#改段]

  第一義

人間の思う事は皆妄想である
哲学でも宗教でも唯物思想でも何でも
人類文化は全部妄想の文化である
現代文化は第二義の文化である
この文も又……である
自然物は皆第一義の花を咲かし
第一義の実を結んでいるのに
人間ばかりは第二義の花と実を誇りとし
これがために第一義の真と美を犠牲にし
軽蔑している
汝が汝を支配する時
汝は死物となる
支配せず
支配せられざる汝は
生きた汝である
自然の汝である。



えあ草紙で読む
find えあ草紙・青空図書館に戻る

© 2024 Sato Kazuhiko