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作品ID | 47277 |
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副題 | 「新青年」一九二七年三月 「しんせいねん」せんきゅうひゃくにじゅうななねんさんがつ |
著者 | 国枝 史郎 Ⓦ |
文字遣い | 新字新仮名 |
底本 |
「国枝史郎探偵小説全集 全一巻」 作品社 2005(平成17)年9月15日 |
初出 | 「新青年」1927(昭和2)年3月 |
入力者 | 門田裕志 |
校正者 | Juki |
公開 / 更新 | 2014-05-10 / 2014-09-16 |
長さの目安 | 約 1 ページ(500字/頁で計算) |
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作者は大方「型」を持っています。その「型」の中で微動し乍ら創作をつづけて行くときはまずあぶな気がありません。一通りのものは作れます。そいつを何時迄もつづけていると作が生気を失います。「型」を思い切って破壊するか、乃至は「型」の中に居り乍ら深く下へ掘り下げるか、どっちかにしなければなりますまい。小酒井不木氏の「疑問の黒枠」は一方「型」を深く彫り下げ一方「型」を破ろうとして居ります。こういう意味に於て問題にされましょう。平林初之輔氏の「山吹町の殺人」は同氏従来のどの作品よりも手際よくまとまっては居りますが、しかし平林初之輔氏程の人を、わずらわす可き作品とは思われません。谷譲次氏の「肖像画」は――五十枚ぐらいで切り上げたら何うにか目鼻の付きそうな作を、百枚二百枚と書くことによって、目鼻の付かないシロモノとする、そういう優秀で無い作家への、よいミセシメになる好個の読物です。加之その裏には人情観察があります。