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充実した文章
じゅうじつしたぶんしょう
作品ID48721
著者田山 花袋 / 田山 録弥
文字遣い旧字旧仮名
底本 「定本 花袋全集 第十五巻」 臨川書店
1994(平成6)年6月10日
入力者特定非営利活動法人はるかぜ
校正者きゅうり
公開 / 更新2020-05-31 / 2020-04-28
長さの目安約 1 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


 私は思ふ、調子の惡い文章は書いても、無駄の多い文章は書き度くない、と。調子といふものを庇ふと、兎角無意味な文字を使ひたくなる。無意味の文字を使ふと、何うも感じが空疎になつて困る。ゴンクールは勉めて文法を排し、アカデミイ派の文章の整一を蛇蝎のごとく憎んださうだが、私も何うか名文は書きたくない、充實した文章を書きたいと心懸けて居る。それと言ふのも、自分の文章がよく調子に捉へられたり、型にはまつて了つたりするのを豫ねて知つてゐるからであらう。



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