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日本の小僧
にほんのこぞう
作品ID50094
著者三遊亭 円朝
文字遣い新字旧仮名
底本 「明治の文学 第3巻 三遊亭円朝」 筑摩書房
2001(平成13)年8月25日
入力者門田裕志
校正者noriko saito
公開 / 更新2009-07-22 / 2014-09-21
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)

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本文より




 主「定吉や。定「へえお呼びなさいましたか。主「此の手紙を矢部の処へ持つて参れ、只置いて来れば宜いんだよ返事は入らないから、さア使賃に牡丹餅を遣らう。小「有がたう存じます。主「其処で食べるなよ、帰つて来てから食べなさいな。小「へえ、夫でも是を置いて参りますと、栄どんだの文どんが皆食べて終ひます。主「夫では何処か知れない所へ隠して置け。小「へえ宜しうございます…………何処へ隠さうな、アヽ台所へ置けば知れないや、下流しへ斯う牡丹餅を置いて桶で蓋をしてと、人が見たら蛙になるんだよ、宜いかえ人が見たら蛙だよ、己が見たら牡丹餅だよ。と密と隠して出て行くのを主人が見て、アハヽ是が子供の了簡だな、人が見たら蛙とは面白い、一ツあの牡丹餅を引き出して、蛙の生たのを入れて置たら小僧が帰つて来て驚くだらうと、洒落た御主人で、夫から牡丹餅を引出して終つて、生きた蛙を一疋投り込んで置きました。処へ小「往て参りました。主「大きに御苦労だつた、早く牡丹餅を食べな。小「へえ、有難う存じます、アヽ此所なら誰も知りやアしない桶で蓋をしてあるから気が附かない。と開けて見ると蛙が飛び出した。小「アレ、こりやアいけねえ、己だよ、オイ/\、ホツ/\、然んなに飛ぶと餡が落ちるよ。



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