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県歌 信濃の国
けんか しなののくに
作品ID50555
著者浅井 洌
文字遣い新字新仮名
底本 「淺井洌」 松本市教育会
1990(平成2)年12月20日
入力者大野晋
校正者川山隆
公開 / 更新2010-01-21 / 2014-09-21
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)

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本文より




一 信濃の国は十州に
  境連ぬる国にして
  聳ゆる山はいや高く
  流るる川はいや遠し
  松本伊那佐久善光寺
  四つの平は肥沃の地
  海こそなけれ物さわに
  万ず足らわぬ事ぞなき

二 四方に聳ゆる山々は
  御嶽乗鞍駒ヶ岳
  浅間は殊に活火山
  いずれも国の鎮めなり
  流れ淀まずゆく水は
  北に犀川千曲川
  南に木曽川天竜川
  これまた国の固めなり

三 木曽の谷には真木茂り
  諏訪の湖には魚多し
  民のかせぎも豊かにて
  五穀の実らぬ里やある
  しかのみならず桑とりて
  蚕飼いの業の打ちひらけ
  細きよすがも軽からぬ
  国の命を繋ぐなり

四 尋ねまほしき園原や
  旅のやどりの寝覚の床
  木曽の棧かけし世も
  心してゆけ久米路橋
  くる人多き筑摩の湯
  月の名にたつ姨捨山
  しるき名所と風雅士が
  詩歌に詠みてぞ伝えたる

五 旭将軍義仲も
  仁科の五郎信盛も
  春台太宰先生も
  象山佐久間先生も
  皆此国の人にして
  文武の誉たぐいなく
  山と聳えて世に仰ぎ
  川と流れて名は尽ず

六 吾妻はやとし日本武
  嘆き給いし碓氷山
  穿つ隧道二十六
  夢にも越る汽車の道
  みち一筋に学びなば
  昔の人にや劣るべき
  古来山河の秀でたる
  国は偉人のある習い



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