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おほしさま
おほしさま
作品ID51514
著者小川 未明
文字遣い新字新仮名
底本 「定本小川未明童話全集 16」 講談社
1978(昭和53)年2月10日
初出「キンダーブック」1954(昭和26)年11月
入力者特定非営利活動法人はるかぜ
校正者笹平健一
公開 / 更新2023-05-11 / 2023-05-08
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


 ぽっちりと した 目のように、あかるく ひかる ものが、おかあさんぼし。きらきらと ひかりの つよいのが、おとうさんぼし。そして、森の 上で ひかる、うす赤いのが、おじいさんぼし。その そばで、ときどき みえたり、きえたり するようなのが、おばあさんぼしですよと、おねえさんが いいました。
「おかあさんぼしは、なに して いらっしゃるの?」
と、たけちゃんが ききました。
「なんだか わらって いらっしゃるようね。」
と、ふみこさんが いいました。
「青い のはらで、子どもたちの あそんで いるのを ごらんに なって いるのよ。」
と、おねえさんが いわれました。
「おとうさんぼしは?」
と、たけちゃんが ききました。
「秋に なるので、あまの川の こうじが はじまったから、それを みて いらっしゃるの。」
と、おねえさんは おっしゃいました。
「そんなら、おじいさんぼしと おばあさんぼしは?」
と、ふみこさんが ききました。
「もう お年よりでしょう。だから、おじいさんぼしは、しずかに、なにか かんがえて いらっしゃるし、おばあさんぼしは、うつら うつら、いねむりを して いらっしゃるのよ。」
と、おねえさんは いわれました。
 はてしなく 青い 空は、まるで しんじゅを ちりばめたように きれいでした。



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