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からすねこと ペルシャねこ
からすねこと ペルシャねこ
作品ID51547
著者小川 未明
文字遣い新字新仮名
底本 「定本小川未明童話全集 16」 講談社
1978(昭和53)年2月10日
入力者特定非営利活動法人はるかぜ
校正者笹平健一
公開 / 更新2023-05-11 / 2023-05-08
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


 年とった からすねこが いじの わるい 目つきを して、あるいて いました。あちらから、ぎんいろを した ペルシャねこが きました。
「はてな、みなれない ねこだが。」
と、からすねこは たちどまりました。
「もしもし、この へんに すむ ものなら、わたしを しらぬ はずが ない。おまえは どこの ものだ。」
と、からすねこが ききました。
「わたしは このごろ こして きた ものです。」
と、ペルシャねこが こたえました。
「そうだろう、これから おいしい ものが あったら わたしの ところへ もって おいで。わたしは この あたりを うろついて いるから。」
と、からすねこが いいました。
 この とき、つよそうな ブルドッグが きました。からすねこは どこへ にげようかと みがまえを しました。
 けれど ペルシャねこが にらむと、ブルドッグは あちらへ いって しまいました。
「ごらん、いぬでさえ わたしを おそれて いるのだ。」
と、からすねこが いばりました。ペルシャねこは これを きいて おかしそうに、
「あれは うちの いぬで、わたしを まもって いるのです。いじわるを すると いいつけますよ。」
と いいました。からすねこは びっくりして にげて いきました。



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