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しろくまの 子
しろくまの こ
作品ID51590
著者小川 未明
文字遣い新字新仮名
底本 「定本小川未明童話全集 16」 講談社
1978(昭和53)年2月10日
入力者特定非営利活動法人はるかぜ
校正者Juki
公開 / 更新2012-09-25 / 2014-09-16
長さの目安約 2 ページ(500字/頁で計算)

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本文より


 しろくまは、ほっきょくかいに のぞんだ アラスカ または シベリアに すんで います。しろくまは、水の 中へ はいって およぐ ことも できます。まっ白な けが ふさふさと して、かわいらしい 目を して いますが、それは たけしい けものです。
 ある とき、しろくまの ははおやは 子どもたちを つれて、ひょうざんの 上で あそんで いました。
「おかあさんの そばを、はなれては いけません。」
と、いいきかせました。
 けれど、一ぴきの いう ことを きかぬ 子ぐまは、かってに うみどりを おいかけて いました。この とき、パチンと 大きな 音が して、こおりの かたまりが 二つに われました。
 子ぐまの のった こおりの かたまりは あちらへ ながれて いきました。オーロラの かがやく 空の 下を、ずんずん ながされて いきました。
「こまったなあ。」
と、子ぐまは おもいました。

 きしに つくと、けがわを きた エスキモーの おじいさんが、しのびよって、ふいに あたまから、あみを かぶせました。子ぐまは いけどりに されたのです。そうして、おりに いれられて、とおい 町の どうぶつえんへ おくられました。
 町の ぼっちゃんや じょうちゃんたちが 子ぐまを かわいがりました。おいしい パンや ビスケットを なげて くれました。子ぐまは ときどき おかあさんを おもいだして、
「ウオー。」
と、なきます。



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