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近代医学の興隆
きんだいいがくのこうりゅう
作品ID52529
原題THE EVOLUTION OF MODERN MEDICINE
著者オスラー ウイリアム
翻訳者水上 茂樹
文字遣い新字新仮名
入力者
校正者The Creative CAT
公開 / 更新2011-07-03 / 2019-06-08
長さの目安約 384 ページ(500字/頁で計算)

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本文より

原編集者序文(1921)

 ウィリアム・オスラー卿が1913年4月にイェール大学シリマン財団で行った講義「近代医学の興隆」の原稿は、刊行するためにイェール大学出版会にすぐに渡した。組版をしてギャリー校正版を彼に送り、かなりの中絶はあったが校正版をいくらか直し訂正したところで、世界大戦が始まった。戦争が進むにつれて彼は軍および公的な任務に力を注いていたので、校正および計画している変更を完了することはできなかった。ウィリアム卿が初期に行った注意深い校正から見ると、講演は目によって最終的な構成にしたものではなく、まず最初に口頭発表のための大ざっぱなメモを口述筆記させ、後になってから論理的な連続性を通して、彼の特徴である動きのある(con moto)文体にするつもりだったようである。従って講演を刊行のために校正するにあたって、編集者は注意深く、しかるべき畏敬をもって、ウィリアム卿自身が初期の校正において行った指示を遂行することに努力をはらった。記載されていない日付や引用を加えるにあたって、彼が好む版と書物を心に留めた。目で読むためにテキストに少しばかりの変更を行ったとしても、本来の新鮮さから何も除かないようにした。
 編集者の1人への手紙で、オスラーはこの講義は「時代を通しての医学の進歩を飛行機で飛ぶ」ものである、と書いた。実際にこの講義は広範な全分野をパノラマのように眺めるものであって、広い領域を急速ではあるが著しく種々な問題を詳細にカバーしている。魔除け、治療神や病気の悪魔をもっている原始人の臆病な迷信的な精神状態から、明晰な眼を理想とする合理主義に至るまで、進歩が遅く骨が折れる医学の進歩は、信頼と穏やかな連続性によって続いている。人間にたいして実行が可能であり有効なアイディアと発見をした人たちは価値のある人たちである、とはっきりと著者は観察し深く感じていた。彼は偉大な名前を目立たせたが、それほどでもない人たちの重要な仕事を無視することはなかったし、面倒な大発見のいきさつや声高い先取権の問題で取り乱すこともなかった。色々な医学の「系統」を区別する彼の能力については、それぞれの部門において独自の証言がある。幅広い教養および医学において得られている最高の文献を支配しているオスラーの能力は、ギリシア医学の豊富なエーテルについても、土地に縛り付けられている今日の学派についても、同じように優れた記載を行った。この著者と読者の間にペダントリーの生垣は無い。疑い無く彼は挿絵を最後まで最初と同じように完璧にしようとしていたが、彼の残して帰ったままであり、一部は図の説明が無いので何の挿絵であるか判らないので惜しいことに省略したものもある。ガリソン、クッシング、ストリーターが異なった視点から最初のギャリーの校正を行った。後になりマッカル(サヴァナ、Ga)は手数のかかる引用および参…

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